目 次
全事業者で統一した健診項目による健診の実施と、二次検査勧奨の徹底
統一した健診項目を全事業者で実施できる健診環境を整備し、徹底した二次検査の受診勧奨を実現しました。
導入の背景
・疾患の早期発見・治療による重症化予防に向け、法定検査項目を上回る検査項目による健診を、全事業所で統一的に実施できる環境の整備。
・統一した健診項目を、全国の全事業所で実施しようと試みた結果、対応可能な健診機関数が約300機関に限られていた。
・健診結果の取得に時間がかかるうえ、画像判定を一律に取得できないなど判定基準に課題があった。
導入の決め手
・健保組合が提示する統一の健診項目がすべての健診機関で実施でき、画像判定を確実に提供してもらえる健診機関数が倍以上になることも期待できた。
・Wemex 健診代行と連携する健康管理システムの同時導入により、健診結果の早期通知や二次検査の受診勧奨の迅速化が期待できた。
導入後の効果
・契約健診機関数が320機関から約3倍の1,095機関に増え、健診項目と判定の統一を維持したまま、全事業所で受診できる環境が整った。
・受診者への健診結果通知が2~3か月後から約1か月に短縮され、二次検査の受診勧奨も迅速に対応が可能になった。
導入の背景
本部の健保会館と各支所での保健指導を通じて健康管理に取り組む
写真:健保会館内の健診施設(左)、健診施設内の検査室(右)
大王製紙健康保険組合は、母体企業の大王製紙株式会社を中心に設立され、現在、加盟48事業所の社員および扶養家族が加入しています。加盟事業所は非常に広範囲で、紙・パルプ、ティッシュや紙おむつ等の衛生用紙製造・加工をはじめ、販売、陸運・海運などの運輸事業に及び、拠点数は小規模の出先機関を含め全国約400か所に上ります。2025年4月時点の加入者数は、被保険者約1万2,000人、被扶養者約8,800人。そのうち約4,500人が在籍する四国本社(愛媛県四国中央市)近隣に立地する健保会館には、1階に診療所、2階に健診施設を持ち、管轄内の加入者を対象に内科・精神科の診療および健診や保健指導、栄養指導を行っています。また、東京や北関東、静岡、岐阜などの主要拠点には支所を設け、保健師が常駐して保健指導を通じた健康管理に取り組んでいます。
(写真:石村氏)
“組合員と家族の皆様が健康であること”を第一に、保健事業に取り組む大王製紙健康保険組合ですが、加入者の高齢化が進展していることが課題となっています。
「被保険者の平均年齢が43.2歳で、65歳以上の従業員のケアも重要になってきています。また、生活面をサポートする奥様も高齢化しつつあることから、とくに配偶者の健康管理にも注力しています」(石村氏)
同健保組合では35歳以上対象の総合健康診断、34歳以下対象の一般定期健康診断をはじめ、任意継続者健康診断、配偶者・家族健康診断、がん検診など健診種類が充実しており、とくに総合健康診断および一般定期健康診断における健診項目の多いことが特徴といえます。「労働安全衛生法に基づく健診項目であれば法的には問題ありませんが、より詳細な検査項目で健診を実施することで疾患の早期発見、重篤な疾患の発症予防に取り組み、とくに35歳以上にはがん検診を含め人間ドックと同等の健診を受診するよう推奨しています」(石村氏)
統一した健診項目へ、それに伴い対応可能な健診機関が減少
(写真:徳増氏)
充実した健診施設がある四国本社管轄では、当初から法定健診項目および愛媛健保連(健康保険組合連合会愛媛連合会)の推奨項目を上回る項目で健診を実施してきましたが、それと同等の項目を全事業所で統一的に実施していくことに課題がありました。
「被保険者においては二次検査の受診率向上、被扶養者においては一次健診の受診率向上を目標にしていますが、二次検査の受診勧奨の取り組みには健診項目の統一に加え、健診結果の画像判定を含めたすべての判定が提供可能な健診機関との提携が要件となります。しかし、これらに対応できる健診機関を全事業所レベルで拡充することが課題でした」(徳増氏)
(写真:森實氏)
大王製紙健康保険組合では、Wemex 健診代行を2024年度に導入する以前に、2つの健診代行機関を数年ごとに利用してきました。最初の健診代行機関では提携健診施設数は多かったものの、健診項目の統一ができなかったという問題がありました。また、健診施設から健診代行機関に提供される結果において、受診者に通知する結果に要二次検査の判定記載はあっても、健保組合に納品されるデータには判定が明示されないケースが多々ありました。
「健保組合側で二次検査判定を把握できなかったため、二次検査の受診勧奨もできず、管理するうえで大きな課題となっていました」(森實氏)
そこで、二次検査の受診勧奨を徹底するために新たな健診代行を2022年度に導入し、2023年度まで利用してきましたが、別の新たな課題が浮上しました。
「健診項目の統一と二次検査判定の問題はクリアできたものの、それらの要件を満たせる健診機関が限られてしまい全事業所の受診者の利便性を満たせなくなりました。また、受診者個人に結果を通知する業務まで委託していましたが、通知されるまでに2か月以上を要したため二次検査の受診勧奨も遅くなる課題が出てきました」(徳増氏)
統一した健診項目で受診できる契約健診機関を増やす交渉を何度も行ったものの遅々として進まず、再び新たな健診代行機関の採用に向けて検討することとなりました。
導入の決め手
Wemex 健診代行+健康管理システムで3つの要件をクリア
新たな健診代行機関に求められる要件は下記の3点でした。
(1)全事業所で統一した健診項目で実施できる健診機関数の多さ
(2)要件を満たした画像判定結果の提供可否
(3)二次検査の受診勧奨が迅速に可能な健康管理システムを所有、または他社の健康管理システムと密な連携が可能
これらの要件を満たす健診代行機関の検討候補は、Wemex 健診代行を含む3社でした。
検討段階では、最初の要件に設定した、当組合が提示する健診項目が実施でき、画像判定を確実に提供してもらえる健診機関のピックアップをウィーメックスに依頼しました。
「契約前でしたが、従来の健診代行による健診機関数約300機関を倍の600機関にできると明言されました。このような、ウィーメックス担当者による十分なヒアリングと要望に即した提案が決め手の1つでした」(徳増氏)。
要件を満たせる契約健診機関数が単に多いだけでなく、各事業所の加入者が受診しやすい場所で健診機関を確保できると見込めたことが大きな要因となりました。
3つ目の要件である健康管理システムについては、以前より注目していたシステムがありました。そのシステムはウィーメックスが代理店として販売する健康管理システムであり、十分なシステムへの理解のもと、導入から運用までスムーズな連携を実現できる提案がありました。それにより、健診結果処理が遅れるという課題を解決し、二次検査の受診勧奨も確実にできるイメージを持つことができました。
導入後の効果
二次検査の受診勧奨と結果のシステム管理の徹底を実現
Wemex 健診代行の導入により、まず法定健診項目を上回る検査項目で、健診を全事業所の加入者が身近に受診できる環境が整備されました。
「健診機関数は320機関から約3倍の1,095機関に増え、健診項目と判定の統一を維持したうえで、受診者の不便さを解消できたことは大きな成果です」(徳増氏)
検査結果の判定についても、受診者本人へ届くのが2~3か月程度だったものが、約1か月で届くようになり、二次検査が必要な人はすぐに受診できる環境が整いました。その後、健康管理システムにより健保組合の判定に基づき、二次検査の対象になった人に対して自動で受診勧奨メールが送信される仕組みを構築し、繰り返し受診勧奨ができるようになり、課題だった二次検査の受診勧奨の徹底を実現しました。
また、新たな健康管理システムでは二次検査の結果を登録する仕組みも整備され二次検査の受診状況や結果などを把握できるようになり、保健師による健康管理の徹底も進行中です。
「以前の健診環境では、二次検査の結果を私たちが入手することはできませんでしたし、そもそも誰が対象になっていたか不明なケースもありました。現在はシステム上で二次検査の結果が登録されているかどうかわかるようになり、以前のように一次健診で異常があった方と直接面談して確認・指導する業務がとても楽になりました」(森實氏)
今後の展望
健診事業の最適化を目指し、関係事業者との協力体制を強化
大王製紙健康保険組合は、取り組みの柱として、第一に”早期発見・治療による重症化予防”を掲げています。健診において必要な検査項目を大幅に追加・統一して実施している点も、疾患の早期発見につなげるためです。健診機関からの結果データの提供が大幅に短縮され、二次検査の受診勧奨を迅速化できましたが、さらなるリードタイムの短縮化を目指していきます。
「そのためには健診機関にどれだけ協力していただけるかが重要。それとともにウィーメックスや健康管理システム事業者の協力が欠かせません。関係者相互の信頼関係が重要であり、今後も全面的な協力をお願いしたいと考えています」(徳増氏)
Wemex 健診代行の導入によって、統一した健診項目で多くの健診機関で受診できる体制整備に注力してきましたが、健診機関との協力関係を強化するためには、受診者の利便性向上を重視するだけでなく、協力を得られる健診機関に一定度しぼっていくことも大切だと考えています。
「私たちが考えてきた健診環境やデータ管理を頑なに踏襲していこうとしても、これまでの健診代行機関の利用経験から実現の難しさがあると思っています。構築した現在の健診事業基盤に私たち自身が合わせていくことも重要であり、さらなるプロセス改善のために、ウィーメックスをはじめとする事業者の方々のノウハウの提案を期待しています。お互いにディスカッションを活発に行いながら、よりいっそう健診業務の最適化を図っていきたいと考えています」(石村氏)
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