目 次
人間ドック受診者の利便性向上と職員の業務負担軽減を実現
受診環境の改善により、職員の対応業務の負担軽減を実現し、保健事業の強化を目指しています。
導入の背景
・被保険者の年齢層が高齢化していることもあり、人間ドック受診において被保険者の年齢制限を設けず、被扶養配偶者も含め受診を奨励し、受診率向上を図ってきた。
・人間ドックの受診健診機関が少なかったことに加え、受診期間が短期間であったため、希望する健診機関で期限内に受診できる環境に課題があった。
・上記の理由により受診希望者からクレーム対応や受診可能にするための各所との交渉などの業務に忙殺されていた。
導入の決め手
・提携している健診機関が多く、全国各地に在住する受診者の要望に沿えると考えた。また、受診期間を拡大でき、受診者の利便性と受診率の向上につながると考えた。
・健康ポータルサイトを介してワンストップで受診予約が可能になり、予約作業の煩わしさ解消が期待できた。
導入後の効果
・近くに受診できる健診機関がないといった苦情や遠距離で受診するケースがなくなった。また、受診期間が拡大されたこともあり、近くの健診機関で希望する日時に受診できるようになった。
・健診期間内に受診できない加入者に対応するための業務負担がなくなり、巡回レディース健診など新たな取り組みの開始や強化が可能になった。
導入の背景
加入者の高齢化に対応、人間ドックの取り組み強化へ
1967年10月設立の日本国土開発健康保険組合は、総合建設会社(ゼネコン)の日本国土開発グループを母体とする健康保険組合で、「健康経営銘柄2025」(通算4回目)、「健康経営優良法人~ホワイト500~」(6年連続)に選定された、日本国土開発とそのグループ従業員の健康づくり促進を支援しています。加入者は約2,300人(被保険者約1,400人、被扶養者約900人、2025年5月末時点)。ゼネコン関連の事業会社という業界特性から、従業員の年齢層が比較的高く、特に50~60代の比率が高い傾向にあります。「健保組合の規模として小さく、アットホームな雰囲気で加入者それぞれに対して丁寧な対応を心がけています」(原田氏)
こうした背景課題に対して事務長代理の中谷和枝氏は、様々な取り組みを模索しています。「前期高齢者が増えているため、ロコモティブシンドロームや誤嚥性肺炎の予防対策なども健保組合として注力していきたいと考えています」(中谷氏)。また、64~74歳で循環器病の医療費が4年前と比較して倍になっていることから、病態の改善に向けた定期的な検査なども保健事業として取り組んでいきたいとしています。
人間ドックも注力してきた健診事業の1つです。同組合の人間ドックの特徴は、被保険者はもちろん被扶養配偶者も対象となっており、被保険者については年齢制限がありません。しかも、受診する被保険者に対しては4万円まで健康保険組合で補助するものです(被扶養配偶者は2万円まで補助)。かつて人間ドックの施設に在籍していた経験があるという健診事業担当の板橋氏は、「健保組合による人間ドックの対象年齢は35歳以上のところが多く、特定健診の開始年齢と合わせている健保組合が多い。基本コースで4万円まで健保組合が補助する例は、当時ほぼなかったと記憶しています」と話します。
受診可能な健診機関の少なさ、受診期間の短さが課題
被保険者・被扶養配偶者ともに受診率向上に取り組んできた人間ドックですが、2023年まで利用してきた健診代行サービスでは受診できる健診機関が少なかったことと、受診期間が短いことなど、様々な課題があったといいます。
まず、人間ドックを受診できる契約健診機関が約80施設に限られており、受診者の希望に沿えなかったこと。被保険者は各地の建設現場の宿舎などに居住しているケースもある中で、80施設は比較的都市部に集中していました。「居住地近くに受診できる施設がなく、県を越えてまるで小旅行のような日程で受診しなければならない方もいました」(板橋氏)
さらに、受診予約する際に、地方の健診機関の多くが電話予約に限られていた点も問題でした。受診予約は個人向け健康ポータルサイト(以下、健康ポータルサイト)を介して行う仕組みですが、直接インターネット予約に進める健診機関が少なく、受診者自らが直接電話して予約を取得し、そのうえで健診代行サービスにログインして予約日を登録する煩わしさもありました。
もう1つの課題は、受診期間の短さ。事業主健診が毎年10月前後に実施されるため、春から夏の間に人間ドックを受診するのが理想としており、受診期間は4月から8月の5カ月に限られていました。ところが、受診可能な施設が少ないうえに受診期間が短いことから期間中に受診できないケースが多く発生していました。「受診希望日と予約可能日が合わず、どうしても設定期間に受診できず、何とか期間外でも許容してほしいという要望など、受診環境の改善を望む声が多数寄せられていました。期間外しか予約できなかった方に対し、何とか受診していただきたい、そのために受診希望者への対応や健診代行サービスとの例外調整など、すべて私と中谷で対応しなければなりませんでした」(板橋氏)。月に数件の対応とはいえ、毎日何らかの対策業務が発生し、その負担が非常に大きかったと振り返っています。
こうした課題から、受診期間を延長するにあたって、受診できる医療機関も拡充させたいという要望から、健診代行サービスの変更に向けて検討したといいます。
導入の決め手
契約健診機関の多さや予約機能など受診者の利便性向上に期待
健診代行サービスを刷新するにあたり、健康ポータルサイトと連携できることを前提条件とし、人間ドック受診者の利便性を高めるため、事業支援を受けている代理店に相談したところ、候補として挙げられたのがWemex 健診代行でした。
健康ポータルサイトとの連携を条件としたのは、受診対象者のマスターデータを毎月送信する煩雑さをなくしたいという点。「被保険者の転籍や出向が頻繁なために保険証の記号・番号の変更が多々あり、毎月のようにマスターデータを送信する必要がありました。被保険者などの個人情報を毎回やり取りするリスクや手間を考えると、健康ポータルサイトを介してデータ更新できる仕様は変えたくありませんでした」(板橋氏)と説明。さらに、人間ドックの結果参照や受診インセンティブの付与なども考え、健康ポータルサイトと連携できるサービスが望まれました。
こうした条件を踏まえ検討した結果、採用されたのがWemex 健診代行でした。ポイントは、まず契約健診機関の多さです。Wemex 健診代行は全国約3,000健診機関とのネットワークを有しており、これまで課題だった遠距離での受診を強いられることなく、居住地近くの健診施設で受診できることが期待できました。また、受診後の対応業務が効率化・適正化されるため、受診期間を4月から12月末まで拡大することができ、期間内に受診できないという課題も解消できると考えたといいます。「受診予約する際に、受診希望者自身が健康ポータルサイトを介して第5希望まで申請すれば、健診機関との調整をウィーメックスがすべて代行するので、手を煩わせることなくインターネットで完結できるなど画期的な点が多く、私たちが望んでいたことに応えられると思いました」(板橋氏)と、採用の理由を説明します。
導入後の効果
日々の業務負荷から解放、新たな健診事業の開始に波及
Wemex 健診代行は、2024年度から人間ドックを対象に利用を開始し、今年度で2期目を迎えました。また、2025年度からは新たに被扶養配偶者を対象とした、巡回レディース健診もWemex 健診代行を通じて開始しています。
人間ドックに関しては、受診できる健診機関が大幅に増えたことにより、受診できる健診機関が近くにないといった声は一切なくなったといいます。「受診できる施設が増え、身近で受診できるようになり、受診期間も12月まで拡大され、期間内に受診できない方の対応業務がほとんどなくなりました」(板橋氏)
また、従来利用していた健診代行サービスでは、人間ドックの結果がすべてそろってから健保組合に納品されていたため、他の健診事業の結果と合わせた特定保健指導に関する後業務に遅れが生じ、対象者を絞り込みと案内までに1年以上を要していたといいます。Wemex 健診代行になってからは、結果は約2か月後にXMLデータで納品されるため、後工程の業務が容易かつスピーディーになり、特定保健指導の開始を約2か月早めることができたといいます。
Wemex 健診代行導入の副次的な効果として、健康ポータルサイトの登録者増加にも貢献しました。Wemex 健診代行導入前の2023年の登録率は被保険者が68.6%、被扶養者23.7%でしたが、導入後の2024年には被保険者75.1%、被扶養者31.4%へと上昇しています。「Wemex 健診代行による人間ドック受診の機会や予約等の利便性が高まったことにより、予約の窓口となる健康ポータルサイトの登録者が増加したものと思われます。特に被扶養者は従来、被保険者が一緒に予約可能でしたが、Wemex 健診代行になってからは受診者が自身名義で申請することを徹底したため、被扶養者の登録の伸びにつながったと認識しています」(板橋氏)。健康ポータルサイトは健保組合からのお知らせをはじめ、医療費明細、ジェネリック医薬品による薬価の差額などの情報も提供しており、「登録者を増やしたいと考えていた中で、Wemex 健診代行の導入が大きく寄与したことは思わぬ効果でした」(板橋氏)と評価しています。
さらなる導入効果として、新たに巡回レディース健診を開始できたことを挙げています。「人間ドックの受診希望者が希望する健診機関で、期間中に受診できないケースに対応するための業務がほとんどなくなり、健診事業に関する様々な施策を考える余裕が生まれました。Wemex 健診代行に業務を任せることができたからこそ、新たなに巡回レディース健診を開始できたと思っています」(中谷氏)と導入効果の一端を説明します。
今後の展望
人間ドック受診率の向上、検査結果のフォロー・体制の強化へ
Wemex 健診代行による2024年の人間ドック受診率は、被保険者が約54%、被扶養配偶者が約20%、全体で49.2%。2023年の受診率から変化は見られなかったといいます。「システム、予約方法が大きく変わったので初年度は受診率が下がると思っていましたが、低下することはありませんでした。特に被扶養配偶者の受診は、必ずご自身で健康ポータルサイトを操作して予約する方法に変わったことを考慮すると、被扶養配偶者の受診者が増えたことは評価できると思います。2年目となる2025年度は、受診動向などを分析する余裕も生まれたので、後半に向け様々な受診勧奨策を打ち出していく計画です。今年度は全体の受診率を60%まで引き上げたいと思っています」(板橋氏)
人間ドックの受診率を上げるとともに、受診結果を受け、受診者に対してどのようなフォローをしていくかが、健保組合としての今後の課題だと中谷氏は指摘します。「要精密検査の対象となった方への受診勧奨を強化していきたいと考えています。対象者の抽出から精密検査を実際に受けたのか、その結果がどうだったかを追跡できるようシステムで把握しつつ、確実にフォローしていくことが健保組合として重要だと思います」(中谷氏)と述べ、Wemex 健診代行のさらなる活用拡大に期待しています。
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