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iPadでも電子カルテは使える
条件を満たした電子カルテであれば、iPadでも問題なく利用できます。近年では複数の電子カルテメーカーがiPadに対応しており、アプリやブラウザからアクセスして利用できるなど、利便性が向上しています。
なお、すべての電子カルテがiPadに対応しているわけではないため、導入前の確認は必須です。また、院内のWi-Fi環境やセキュリティ設定など、利用環境を整えなければなりません。
iPadでの電子カルテ利用を検討する際は、実際の診療フローでどのような場面で活用するのかを明確にしたうえで、デモンストレーションや無料トライアルに進めるとよいでしょう。

iPadで電子カルテを使うメリット
iPadで電子カルテを使うと、診療の質と効率性の向上が期待できます。とくに訪問診療やオンライン診療を行う(予定含む)医療機関にとって、持ち運びやすいiPadは診療スタイルの幅を広げるツールとなるでしょう。ここでは、iPadで電子カルテを活用して得られる2つのメリットを紹介します。
場所を問わずに診療情報を閲覧できる
インターネット環境があれば、院内外を問わずどこでもカルテに記載された情報を閲覧できます。たとえば、訪問診療の移動中や診療先で患者さんから連絡を受けた際に、iPadから過去の診療履歴や処方内容などを即座に把握できるため、的確な指示や判断が可能です。
オンライン診療においても、看護師がバイタルを計測しながらカルテに入力できるため、診療記録の正確性が向上します。
さらに、自宅や外出先からでもカルテにアクセスできるため、緊急時の対応や診療準備もスムーズに進められます。
情報共有の効率性が向上する
iPadのカメラ機能を活用すると、訪問診療先で撮影した患部の写真や療養環境の画像を、その場で直接カルテに登録できます。
従来のように紙のメモや別のカメラで撮影してから後でデータを取り込む手間が省けるため、記録業務の効率が向上します。また、患者さんやご家族への説明場面でも、iPadの画面を見せながら検査画像や治療計画を共有できるため、視覚的でわかりやすい接遇ができるのはタブレット端末の強みです。
運営面においても、複数のスタッフが同時に異なる場所からカルテを閲覧できるため、看護師や事務スタッフとの情報連携もスムーズになり、チーム医療の質向上に役立ちます。
iPadで電子カルテを使う際の注意点
iPadで電子カルテを使うと多くのメリットがある一方で、医療情報を扱う以上、注意すべき点もあります。とくにセキュリティとプライバシーに関しては、患者さんの個人情報を守るために万全の対策が必要です。
ここでは、iPadで電子カルテを導入する前に必ずおさえておくべき2つの注意点を解説します。
セキュリティ対策が必要
iPadで電子カルテを利用する際は、従来の電子カルテと同様のセキュリティ対策が必須です。
具体的には、利用者ごとのID・パスワード管理を徹底し、使用できるアプリケーションを医療業務に必要なものに制限するなど、iPad自体が外部からの攻撃対象とならない対応が求められます。
通信経路の暗号化やVPN接続の設定、OSやアプリの定期的なアップデートも求められます。厚生労働省が公表している「医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」などを参考に、正しい理解のもとで導入は進めましょう。
セキュリティ対策が不十分だと、医療情報の漏洩や不正アクセスのリスクが高まり、予期せぬトラブルに発展しかねません。
出典:厚生労働省「令和7年度版医療機関におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト」(https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001253950.pdf)
プライバシーへの配慮が必要
iPadは手軽に持ち運べる利便性がある反面、置き忘れやロック解除したままの放置による個人情報の漏洩には十分な配慮が必要です。
診察室や訪問診療先、移動中の車内など、さまざまな場所で使用できるため、常に端末の所在を把握し、使用後は必ずロックをかける習慣を徹底しなければなりません。
院外に持ち出す場合は、クリニックの規定を順守し、のぞき見防止フィルムの使用も検討すべきです。
万が一、患者さんの個人情報が漏洩した場合、医療機関への信頼が損なわれるだけでなく、最悪の場合は訴訟に発展する恐れもあります。スタッフ全員がプライバシー保護の必要性を理解し、適切な取り扱いルールの順守が求められます。
iPadによる電子カルテ活用方法
ここからは、具体的にどのような場面でiPadが活用されているのか、代表的な3つの活用方法を見ていきましょう。
患者さんへの説明
iPadは患者さんが実際に触れて操作したり、近い距離で画面を見たりできるため、治療内容や病状の説明場面で効果的に活用されています。パソコンの画面だと伝わりにくい内容も、iPadの画面と人の手を介した説明だと理解してもらいやすくなります。
とくに画像検査の説明では、タッチペンで病変部分をマーキングしたり拡大表示したりできるため、視覚的にわかりやすい説明が可能です。
そのほか、手術や検査の説明動画をあらかじめiPadに取り込んでおき、診察室や処置室で患者さんに提示すれば、口頭だけの説明よりも具体的でイメージしやすい説明ができます。
問診票の記載
近年では、iPadで記入した問診内容を電子カルテに自動連携する機能を搭載したシステムも増えています。紙の問診票からの転記作業が不要になるため、転記ミスや確認漏れなどのヒューマンエラー予防に効果的です。
さらに、AI技術で問診内容から考えられる疾患をリストアップするサービスも開発されており、診療の効率化にもつながっています。
また、待合時間に治療や検査、薬剤の説明動画をiPadで視聴してもらうなど、患者さんの理解を深めるツールとして活用している医療機関も増えています。
検査入力や指示の確認
iPadは持ち運びが便利でスペースを取らないため、リハビリ室や検査室、処置室など院内のさまざまな場所で、必要な情報の入力や確認に便利です。
電子カルテと連携しているため、iPadで入力した検査結果や実施したリハビリ内容がそのままリアルタイムで電子カルテに反映されます。
訪問診療では、患者さん宅で測定したバイタルサインや実施した処置内容をその場でiPadに記録できるため、業務効率の向上に貢献します。
電子カルテをiPadで使うのに適しているパターンとは?
iPadでの電子カルテ活用には多くのメリットがありますが、すべての医療機関に適しているわけではありません。以下の内容と自院の状況とを照らし合わせて、導入の判断材料にしてください。
【iPadが適しているパターン】
| パターン | 理由 |
|---|---|
| 訪問診療・在宅医療を実施(予定含む)している | 患者さん宅でカルテの閲覧・記録が可能なため |
| 患者さんの理解をより深めたい | 画像や動画を用いた視覚的な説明で理解を深めやすくなるため |
| スタッフのIT抵抗が少ない | スムーズに運用できるほか、教育コストがかさむ心配が少ないため |
【iPadが適していないパターン】
| パターン | 理由 |
|---|---|
| 複数のシステムを連携させている | 設定や動作確認にコストがかかり、メリットよりも負担が大きくなる可能性があるため |
| スタッフのIT抵抗が強い | 教育のコストやトラブル対応の手間がかかる可能性があるため |
iPadに対応した製品紹介
ウィーメックスの「Medicom クラウドカルテ」と「Medicom-HRf Hybrid Cloud」はiPadに対応しており、場所を問わず診療情報にアクセスできる環境を実現します。
| 製品名 | タイプ | 特徴 |
|---|---|---|
| Medicom クラウドカルテ | 完全クラウド型 |
|
| Medicom-HRf Hybrid Cloud | ハイブリッド型(オンプレミス+クラウド) |
|
各製品の詳しい機能や導入事例については、以下の製品ページでご確認いただけます。
クリニック向けクラウド型電子カルテシステム Medicom クラウドカルテ
ハイブリッド型電子カルテシステム(医事一体型)Medicom-HRf Hybrid Cloud
費用については、状況をお伺いしたうえでご提案させていただきます。まずは資料請求やデモンストレーションで、実際の操作感をお試しください。
まとめ
iPadで電子カルテが使えると、場所を問わず診療情報を閲覧できるほか、情報共有の効率性も向上します。患者さんへの説明や問診、検査入力などさまざまな場面で活用が期待できるでしょう。
ただし、セキュリティ対策とプライバシー保護は必須であり、スタッフのITスキルや連携システムの状況によっては慎重な検討が必要です。自院の診療スタイルや課題に合わせて、適切な電子カルテシステムを選ばなければなりません。
iPadでの電子カルテ活用に興味をお持ちの方は、製品の資料請求やデモンストレーションで、実際の操作性を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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