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お知らせ:PHC株式会社が、令和7年度関東地方発明表彰において、群馬県知事賞、千葉県発明協会会長賞を受賞

2025年11月6日
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PHC株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中村 伸朗、以下「PHC」)は、この度、公益社団法人発明協会(所在地:東京都港区、会長:東原 敏昭)が主催する「令和7年度地方発明表彰」の「関東地方発明表彰(※1)」において、培養装置の除染液噴霧装置が「群馬県知事賞」を、スループットを向上する検体搬送システムが「千葉県発明協会会長賞」を受賞しましたのでお知らせいたします。

地方発明表彰は、大正10年に開始された表彰事業で、全国を8地方(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分け、各地域において優れた発明、考案又は意匠を生み出した技術者・研究開発者を顕彰するものです。本発明表彰においてPHCの発明者が表彰されるのは、本年度で10年連続となります。

本発明の詳細については、以下をご確認ください。

■関東地方発明表彰・「群馬県知事賞」

発明名称 「培養装置の除染液噴霧装置」
公報記載発明名称 「噴霧装置および培養装置」 (特許登録第7141802号)
受賞者 PHC株式会社 バイオメディカ事業部 LSソリューション開発部 酒井 雄太
PHC株式会社 バイオメディカ事業部 LSソリューション開発部 青木 光
PHC株式会社 PHC労働組合 関根 寛直
香川大学 微細構造デバイス統合研究センター(元PHC株式会社 バイオメディカ事業部 細胞ソリューション開発部所属) 平井 弘樹

*受賞者に関する情報は、申請日時点の情報に基づいて記載しています。

【現状と課題について】

細胞医薬品の研究開発などで使用する培養装置(以下、インキュベーター)では、装置内に菌が混入するとコンタミネーション(汚染)が発生し、培養している細胞や微生物などの成長が妨げられ、最悪の場合は死滅してしまうことがあります。これにより、実験結果に大きな影響を与える可能性があるため、培養前にインキュベーター内を滅菌、もしくは細部にわたって均一に除染することが不可欠です。

インキュベーターの製品例(MCO-50AIC)
インキュベーターの
製品例(MCO-50AIC)

インキュベーター内の除染を行う場合、除染液の噴霧装置として超音波霧化装置があります。しかし、従来の装置では、噴霧する除染液の粒が大きくなりやすく、除染液が十分に拡散しないため、除染液をインキュベーター内部の隅々にまで行き渡らせることが難しいという課題がありました。

【本発明について】

本発明の噴霧装置では、噴出部に設けた振動板を振動させることで、除染液である過酸化水素水を非常に細かい霧状にして噴霧する仕組みが採用されています。これにより、除染液が装置内の細部まで均一に広がり、高い除染効果を実現します。さらに、振動によって除染液の中に発生する気泡が噴霧口に溜まるのを防ぐ構造になっているため、噴霧が途中で止まってしまうといったトラブルを防ぐことができ、確実で効果的な除染作業が可能になります。

噴霧装置(MCO-50HP)
噴霧装置(MCO-50HP)

本装置をインキュベーターに搭載することで、細胞培養に求められる高い清浄度を安定して維持できる環境を提供でき、研究の効率化や実験結果の信頼性向上に貢献します。

噴霧装置の設置を例示する概略図
噴霧装置の設置を例示する概略図
噴霧装置の鉛直平面による縦断面図
噴霧装置の鉛直平面による縦断面図

■関東地方発明表彰・千葉県発明協会会長賞

発明名称 「スループットを向上する検体搬送システム」
公報記載発明名称 「搬送機構及び分析装置」(特許登録第7449924号)
受賞者 PHC株式会社 診断薬事業部 試薬・機器推進部 機器開発部 東 美幸
PHC株式会社 診断薬事業部 国内営業部 学術部 石黒 正敏

*受賞者に関する情報は、申請日時点の情報に基づいて記載しています。

【現状と課題について】

血液をはじめとする生体サンプル中の成分測定は、「病気の発見と鑑別」「重症度の確認」「予後の予測」等において重要な役割を果たしており、主に病院の検査室や臨床検査センターで行われています。従来は酵素などの生化学的な項目の測定方法が主流でしたが、近年では抗原抗体反応による吸光度の変化を利用した測定方法や、抗原抗体反応に化学的な発光反応を組み合わせた高感度な測定方法が普及し、多種多様な項目を測定ができるようになりました。
このような進歩により、医療現場では幅広い臨床情報が得られる一方で、効率化、省スペース化、迅速化を図りつつ、検査処理能力の向上が求められ、検体測定のターン・アラウンド・タイムを短縮できる分析装置やシステムの開発が重要な課題となっています。

【本発明について】

この検体搬送システムは、分析装置に接続する検体搬送装置の機能を制御し、検体のサンプリング処理の効率と臨床検査のスループットを向上させ、臨床検査室の業務の効率化と測定の迅速化を図ります。

さらに、本システムを搭載した「全自動血液凝固検査システム STACIA® CN10」は、先行するサンプルラックを搬送しながら、後続のサンプルラックに保持されているサンプル容器を識別し、予めサンプル容器の有無や識別情報を特定できる「先読み動作」を行います。この機能により、単位時間あたりの処理能力が向上し、サンプリング処理の効率が高まります。

全自動血液凝固検査システム STACIA CN10
特定保守管理医療機器
一般的名称 血液凝固分析装置
販売名 全自動血液凝固検査システム STACIA CN10
届出番号 13B1X10144000038
分析装置とサンプラ部の模式図
分析装置とサンプラ部の模式図
検体搬送システムの模式図
検体搬送システムの模式図

(※1)https://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R7/jusho_kanto/index.html

<PHC株式会社について>

1969年に設立されたPHC株式会社は、グローバルに展開する日本発のヘルスケア企業であるPHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)の日本における事業子会社です。PHC株式会社は、医療機器や体外診断薬、治療モダリティの開発を支援する研究・医療支援機器などを提供し、健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し豊かな社会づくりに貢献することを経営理念として、世界125以上の国と地域のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。
www.phchd.com/jp/phc

お問い合わせ先

PHCホールディングス株式会社 IR・広報部
電話:03-6778-5311  E-mail:phc-pr@gg.phchd.com

以 上

※プレスリリースの内容は発表時のものです。
 商品の販売終了や、組織の変更等により、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。